『カンブリア宮殿』の「編集後記」は、私の文章の手本です
公開日時 2018/11/20 05:00
情熱的読書人間榎戸誠【文章の手本】私が文章の手本にしているテレビ番組がある。テレビ東京の『カンブリア宮殿』の最後に、「村上龍は、収録を終えて、こんなことを考えた」というナレーションで始まる「編集後記」がそれである。この表現はさすが村上龍だな、この文章は使えるなと思う箇所を抜き書き帳に書き移すようになって、もう何年になるだろうか。『収録を終えて、こんなことを考えた――カンブリア宮殿編集後記』(村上龍著、日本経済新聞出版社)には、この「編集後記」が158収録されている。どれにも、「想像力が権力を奪う」といったタイトルが添えられているが、その凝縮した表現力には脱帽する。報告書、企画書、手紙、メール、SNSなどの文章の勉強になるだけでなく、人としての生き方やビジネスのエッセンスにも触れることができる...