がん治療におけるePROの重要性
公開日時 2018/06/30 00:00
聖マリアンナ医科大学臨床腫瘍学講座助教堀江良樹がん治療の「成功」は本来、治癒であることが望ましいが、実際には生存期間の延長であったり、苦痛症状の緩和であったり、生活の質(QualityofLife;QoL)の改善であることもある。患者をこのような成功に導くためには、医療者と患者の間に有意義で効率的なコミュニケーションが欠かせない。一方で、がん患者数が増加傾向にあるなか、外来が中心となったがん診療の現場はますます混雑し、患者の話を聞きたい医療者と、話を聞いてほしい患者の距離を縮めることは、必ずしも簡単では無くなっている。しかし、近年急速に普及しつつあるインターネットやスマートフォン等の電子デバイスを活用し、患者自身による症状評価(PRO;PatientReportedOutcome)を直接医療...