アインHD 愛知県の国家戦略特区でオンライン服薬指導へ 県に手続き開始
公開日時 2018/06/19 03:51
アインホールディングスは6月18日、愛知県の国家戦略特区でオンラインでの服薬指導(=薬剤遠隔指導)ができるようにするため、県への手続きを始めたと発表した。県の認可が下り次第、実施する。認可されるタイミングによるが、全国初の事例になる可能性がある。
国は6月14日付で、愛知県、兵庫県養父市、福岡市の特区における「テレビ電話を活用した薬剤師による服薬指導の対面原則の特例」を認定し、薬剤師に遠隔診療で交付された処方せんに基づき、テレビ電話などを用いて薬剤遠隔指導を行わせることを認めた。
同社によると、愛知県の特区内に薬剤遠隔指導を希望している患者がいることから、県に対して、薬剤遠隔指導の事業登録の手続きを行った。薬剤遠隔指導は、愛知県岡崎市内でオンライン診療も行っているクリニック「りゅう市役所北 内科・リハビリ科」と連携して実現。同クリニックが患者をオンライン診療し、患者に特定処方せんの写しをファックスなどで送付するともに、薬局に特定処方せんを郵送する。薬局は必要に応じてクリニックに疑義照会し、患者にはテレビ電話装置を用いて服薬指導し、薬剤を送付する。
同社広報部は本誌取材に、特区で薬剤遠隔指導に取り組むことについて、「現時点では全国展開するためというよりは、課題探しの段階」と説明した。
愛知県の特定区域は西尾市一色町佐久島、新城市、知多郡南知多町日間賀島、知多郡南知多町篠島、北設楽郡設楽町、北設楽郡東栄町、北設楽郡豊根村――。薬剤師や薬局の数が少なく、薬局からの距離が一定程度離れているとして設定された。
国は、薬剤遠隔指導で期待される効果として、「患者が自宅に居ながらにして、医師や薬剤師とオンラインでつながり、継続的に、かつ安心して診療及び服薬指導を受けられる暮らしを実現」することをあげている。