明治HD 国内薬品事業 成長ドライバーは後発品とBS、20年度売上650億円へ
公開日時 2018/05/21 03:51
明治ホールディングスはこのほど、2020年度を最終年度とする3か年の新中期経営計画を発表し、20年度の国内薬品事業は売上1380億円、17年度比で7%増を目指す方針を示した。成長ドライバーに後発品とバイオシミラー(以下、BS)を位置づけ、後発品事業は売上650億円、同39%増を目指す。重点領域の感染症及び中枢神経とその周辺領域に加え、生活習慣病などのエッセンシャル領域の後発品の品揃えを拡充するなどして計画を達成させる。BSは競合状況や重点領域を踏まえ、現在国内フェーズ1準備中の乾癬治療薬ステラーラBSの開発を優先する。
国内薬品事業の計画をみると、新薬事業のうち、抗うつ薬リフレックス、統合失調症薬シクレスト、抗アレルギー薬ビラノアの3製品合計売上として20年度250億円と設定した。17年度比で3%の減収となる。薬価改定影響に加え、同社は明らかにしていないが、リフレックスが18年度中に特許切れし、後発品が参入することをおり込んだ結果とみられる。
後発品事業は、感染症及び中枢神経とその周辺領域の免疫・炎症、呼吸器に対して、「新薬+後発品」による製品ラインナップを生かした情報提供を行い、処方数量増を図る。生活習慣病領域は後発品のラインナップを拡充させる。ローコストオペレーションの徹底のため、インドの生産子会社メドライク社の生産量拡大にも取り組む。
新薬、後発品による国内薬品事業のシェア目標は、薬価ベースで、全身性抗菌薬が20%、第1位(17年度16.4%、第1位)、ビラノア(Meiji Seika販売分のみ)は抗ヒスタミン薬市場の10%以上、第3位を目指す。ビラノアは耳鼻科や内科中心に展開する。抗うつ薬・統合失調症薬は、処方患者数ベースでシェア32%、第1位(17年度21.8%、第3位)を目指す。
■統合失調症薬ジプラシドンは19年度申請を計画
開発後期のパイプラインをみると、統合失調症治療薬ジプラシドン(一般名、開発コード:ME2112)は19年度に承認申請し、19年度~20年度の承認取得を計画。抗パーキンソン病薬サフィナミド(同ME2125)は18年10~12月に申請し、19年度中の承認取得を見込む。サフィナミドはエーザイが販売・プロモーションする。
ソレイジアファーマが開発中の再発・難治性末梢性T細胞リンパ腫治療薬ダリナパルシン(同SP-02L)は19年度に申請し、20年度の承認取得を期待する。ダリナパルシンはMeiji Seikaが販売・プロモーションを行う。
BSの開発品は▽抗がん剤ハーセプチン▽自己免疫疾患に用いるヒュミラ▽ステラーラ――がある。ハーセプチンBS、ヒュミラBSはともにP1終了、ステラーラBSはP1準備中となっている。
■海外含む薬品事業 20年度に売上1900億円、営業利益150億円
なお、海外を含む薬品事業の20年度業績目標は売上1900億円(17年度1684億円)、営業利益150億円(同110億円)と設定した。海外事業は欧州やアジアなどでの海外売上やメドライクの受託製造の拡大などで、20年度に売上520億円(同394億円)を計画する。