ヤンセン 新規抗結核薬サチュロ錠を新発売 多剤併用療法の1剤に
公開日時 2018/05/09 03:50
ヤンセンファーマは5月8日、成人の多剤耐性肺結核治療薬サチュロ錠100mg(一般名:ベダキリンフマル酸塩)を同日に新発売したと発表した。ジアリルキノリン系の新規抗結核薬で、既存薬とは異なる作用機序をもつ。結核菌のエネルギー生成に必須のアデノシン5-三リン酸(ATP)合成酵素を特異的に阻害し、増殖期及び休眠期の結核菌のいずれに対しても殺菌活性を示す。希少疾病用医薬品に指定されている。
薬価は100mg1錠あたり2万1872.50円。他の抗結核薬と併用して用いる。
多剤耐性肺結核は治療選択肢が限られているうえ、菌陰性化後も18か月間の継続的な長期間の投与が必要であることから、既存の抗結核薬と交差耐性を示さない、高い有効性、安全性、忍容性を示す新薬を含む併用療法の開発が緊急の課題となっている。今回、多剤併用療法の1剤となるサチュロを新たな選択肢として日本でも提供できるようになったことで、「治癒率向上への貢献が期待される」としている。
中医協資料によると、発売10年後のピーク時で同剤の投与予測患者数は22人、販売金額9000万円という。ヤンセンのクリス・フウリガン社長はサチュロの新発売にあたり、「日本でサチュロを販売するために重ねてきた私たちの取り組みは、患者さんの人数の大小に関わらず、多剤耐性結核などの深刻な公衆衛生上の課題に対して革新的な薬剤を提供する、というヤンセンのコミットメントを反映したもの」だとコメントしている。