シャイア買収 武田薬品、ファイザー、アムジェンの名も:米専門誌
公開日時 2018/04/10 03:50
アイルランドのシャイアー社買収を検討する企業として、武田薬品のほか、ファイザー社、アムジェン社などの名があがっている。米医薬専門誌「Fierce Pharma」4月6日付が、証券アナリストによる分析を報じた。
Credit Suisseの証券アナリストVamil Divan氏は、ファイザー社は、がん免疫療法でライバルであるブリストル・マイヤーズスクイブ(BMS)やアストラゼネカ(AZ)の後塵を拝し、対策の必要性に迫られていると指摘。さらにシャイア社の得意分野である希少疾患や血友病領域に関心を持っているという。ファイザー社は、トランプ大統領の減税策により買収資金の余裕があると見られている。
同氏は、ファイザー社以外にアムジェン社による買収可能性も上げる。売上げ、R&D資産が増加するばかりでなく、同社の現在、途上にあるグローバル化を一層拡大できるという。
もう1社名前が上がっているのはアッヴィだ。2014年に同社を買収することですでに合意をしていたが、いわゆるタックス・インバージョン(租税回避)を狙い本社を移転することにあったと米財務省にみなされ、ご破算となった経緯がある。今度は、ポートフォリオ強化を目的に再度買収を試みるのではないかとの観測である。しかし、Divan氏は、最近の同社の新薬開発状況が好調なことから、その可能性は低いと見ている。
いずれにしても今後、武田薬品が正式にシャイア社に対して買収提案を申し出たとき、他社がどういう動きにでるか目が離せない状況となりそうだ。