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日本ジェネリック製薬協会の吉田逸郎会長(東和薬品代表取締役社長)は1月23日、都内で開かれた賀詞交歓会で挨拶し、後発品80%目標達成に向けて、「18年度は行政からの様々な施策がスタートする年だ」と指摘した。その上で、「行政からの多くの施策に、日本ジェネリック製薬協会が業界をリードし、取り組んでいくことはさらに重要になる」と述べ、業界でのリーダーシップ発揮に意欲をみせた。 2018年度は、後発品使用目標がひとつのアウトカム指標に据えられた第3次医療費適正化計画がスタートする。国から都道府県に運営権限と予算が委譲され、都道府県のガバナンス強化がなされる中で、後発品の数量シェアは重要な評価項目となる。厚労省も、東京都や大阪府など10都府県を重点地域に据えた後発品使用促進事業を進める(本誌既報、関連記事はこちら)。また、18年度診療報酬改定では、保険薬局の調剤基本料における後発医薬品調剤体制加算の引上げなども検討されている。 後発品80%目標が着実に迫る中で、ジェネリックメーカーが80%時代の先のビジョンを描く必要性も高まっている。吉田会長は、2017年に同協会が策定したジェネリック医薬品産業ビジョンを引き合いに、各社が役割を明確化し、すべての人々に信頼される産業となることの重要性を強調。国民が安心して後発品を使えることが、「国の医療費を効率的に活用し、医療の質を落とさずに国民の保険医療を守ることになる」と述べた。後発品80%達成後のジェネリックメーカーの姿として、「日本の保健医療とグローバルヘルスを担う自覚と責任」をもち、安定供給を通じて医療の未来に貢献する考えも示した。 ◎厚労省・武田局長 財源の有効活用で「後発品使用促進は重要施策」 同日、挨拶した厚生労働省の武田俊彦医政局長は同省としての取り組みを紹介し、「医療保険財政の持続可能性との調和を保ちつつ、医療の質の向上を図るためには、限られた財源の有効活用が重要だ。後発品使用促進は極めて重要な施策だ」と述べた。2017年9月の後発品数量シェアは65.8%(速報値)まで伸びたが、2020年9月までにに80%目標を達成するため、「さらに力を入れて取り組む必要がある」と強調した。 ◎自民議連・上川会長 海外展開見据え「規模も体力も必要」 自民党の議員連盟「ジェネリック医薬品の将来を考える会」の上川陽子会長(法務相)は、後発品80%目標の先を見据えて、「海外へのさらなる事業展開も視野に、これまでの海外基盤も活かして取り組んでいく必要がある」と指摘した。そのためには、「企業としての規模も体力も必要だ。中小零細企業も多いこの業界だが、体質強化に向けた取り組みも必要かもしれない」と述べた。
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