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キョーリン製薬HD・17年度第2四半期 医療用薬事業7.6%減収 キプレス後発品の浸透早く

公開日時 2017/11/07 03:50

キョーリン製薬ホールディングス(HD)は11月6日、2018年3月期(17年度)第2四半期(4~9月)決算を発表し、医療用医薬品事業の売上は479億7700万円、前年同期比7.6%減だった。喘息治療薬フルティフォームなどの新薬群や気管支喘息・アレルギー性鼻炎治療薬キプレスのオーソライズド・ジェネリック(以下、AG)は好調だったが、市場浸透の早いキプレス後発品による減収影響を吸収できなかった。

第2四半期の国内の新医薬品の売上は344億円(前年同期比16.5%減)、後発医薬品は130億円(同26.0%増)――だった。新医薬品の2ケタ減収はキプレス先発品の売上減の影響が大きく、後発品の2ケタ増収はキプレスAGの売上増が主因となる。

キプレス先発品の売上は成人製剤と小児製剤の合計で90億円(同49%減、88億円減)だった一方で、キプレスAGの売上は50億円(同177.8%増、32億円増)だった。つまり、AGの投入でキプレス特許切れ影響を一定程度は緩和させたものの、キプレスブランドとしては前年同期から50億円強の減収となった。通期計画は先発品が合計198億円(同39%減、128億円減)、AGが107億円(同30%増、25億円増)――と設定し、キプレスブランドとしては100億円強の減収を見込んでいる。

同社の荻原豊常務取締役は同日に開いた専門誌・紙を対象とした会見で、「キプレス後発品の数量シェアは想定通りだが、短期間のうちに想定していたシェアに到達した。後発品の市場浸透が速い」と市場動向を解説した。

同社によると、キプレス成人製剤の後発品(GE、AG)の数量シェアは66%。分母をGEとAGのみとした場合、AGシェアは61%という。小児製剤の後発品の数量シェアは約3割とのこと。AGでは小児製剤をラインアップしていないが、この点について荻原常務は、「状況を見ながら、となる」と述べ、小児製剤の後発品シェアの推移を見極めていく考えを示した。

■フルティフォーム 吸入指導の情報活動に手応え

主力品のフルティフォームの第2四半期の売上は54億円(同19.6%増)、通期計画は120億円と設定した。17年度に入ってから吸入指導に重きを置く情報活動を展開し、特長のひとつである「末梢気道までの良好な薬剤分布が期待でき、結果として良好な臨床効果が得られる」ということを実感してもらう戦略をとっている。荻原常務は「手応えを感じている」と述べ、通期計画の達成に自信を見せた。

第2四半期の連結業績は、キプレス特許切れの影響や棚卸資産の除却損等の増加などにより、売上508億円(同7.1%減)、営業利益14億円(60.6%減)――と減収減益だった。通期計画も下方修正した。

【17年度中間期の連結業績 (前年同期比) 17年度予想(前年同期比)】 
売上高 507億5800万円(7.1%減) 1113億円(3.5%減)(修正前1134億円)
営業利益 14億4300万円(60.6%減) 105億円(0.8%増)(修正前121億円)
親会社帰属純利益 12億4000万円(53.8%減) 78億円(6.8%増)(修正前97億円)

【17年度中間期の国内主要製品売上高(前年同期実績) 17年度予想、億円】
フルティフォーム 54(45)120
ウリトス 36(38)73(修正前76)
デザレックス 9(-)35
キプレス(成人製剤) 39(115)91(修正前98)
キプレス(小児製剤) 51(63)107(修正前111)
ペンタサ 80(79)156
ムコダイン 39(44)84(修正前83)
キプレスAG 50(18)107(修正前103)
ジェネリック計 130(103)280(修正前285)

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