ノバルティス 慢性鉄過剰症薬ジャドニュ顆粒分包の承認取得 エクジェイド懸濁用錠の新剤形
公開日時 2017/07/05 03:50
ノバルティスファーマは7月3日、輸血による慢性鉄過剰症治療に用いる鉄キレート剤ジャドニュ顆粒分包(一般名:デフェラシロクス)の製造販売承認を同日付で取得したと発表した。薬価収載後、発売する。同社が製造販売する鉄キレート剤エクジェイド懸濁用錠(一般名:同)の新剤形となる。エクジェイドは食間の空腹時に、100mL以上の水でよくかき混ぜてから服用する必要があるが、ジャドニュは食事を気にすることなく、しかも粉末のまま服用できる。服薬アドヒアランスの向上が期待される。
ジャドニュは、12mg/kgを1日1回、経口投与して用いる。患者の状態により適宜増減するが、1日量は18mg/kgを超えないようにする。効能・効果はエクジェイドと同じ。
エクジェイドの用法・用量に対し、患者からは負担との意見があった。同社のデイビッド・レノン・常務取締役オンコロジー事業本部長はジャドニュの承認取得にあたり、「ジャドニュは、鉄キレート療法を変革したエクジェイドに対する多くの患者さんや医療従事者の声を反映し、開発された」とし、「ジャドニュを近い将来、患者さんに提供することで、服薬アドヒアランスが向上し、また患者さんのニーズに応えることができることを嬉しく思う」とコメントしている。
再生不良性貧血や骨髄異形成症候群などの難治性貧血のために、赤血球輸血を繰り返し必要とする患者は、頻回の輸血により体内に過剰な鉄が蓄積され、慢性の鉄過剰症を発症する。ただ、生体には鉄を効率的に体外に排泄する機能がなく、適切な除鉄治療を行わないと、心不全などの不可逆的な臓器障害や、糖尿病といった重篤な合併症を引き起こすリスクがある。輸血による慢性鉄過剰症は進行性の重篤な疾患で、患者の生活の質や予後を改善するためには、継続的な鉄キレート療法によって体内から過剰な鉄を除去することが必要不可欠となる。
【訂正】
見出し及び下線部を訂正しました。
誤)過敏
正)過剰
(7月5日10時50分)