EMA 副甲状腺機能低下症治療薬Natparなど3剤を承認勧告
公開日時 2017/03/01 03:50
欧州医薬品庁(EMA)は2月20~23日、ヒト医薬品委員会(CHMP)を開催し、Shire Pharmaceuticals Ireland Ltd社の副甲状腺機能低下症治療薬Natpar(甲状腺ホルモン)など新医薬品3品目について承認勧告を行った。3品目は以下の通り。製品名(一般名)、申請企業、適応症、概要の順。
▽Natpar 25、50、75および100µg 注射用粉末および溶解液(甲状腺ホルモン)。Shire Pharmaceuticals Ireland Ltd社。成人における標準療法では十分に管理できない慢性副甲状腺機能低下症の補助療法(ホルモン代替療法)。同剤は、2013年12月18日に希少疾病薬の指定を受けている。
▽Lokelma 5gおよび10g経口懸濁液用粉末(ジルコニウムナトリウムケイ酸塩)。アストラゼネカ社。成人における高カリウム血症。同剤は、消化官内の水素イオンおよびナトリウムイオンと交換し、選択的にカリウムに結合。消化管内におけるカリウム濃度を低下させることで、血清中のカリウムレベルを低下させる。
▽Varuby90mgフィルムコート錠(rolapitant)。Tesaro UK Limited社。成人における高度から中等度の催吐性を持つ化学療法剤に伴う遅発性悪心および嘔吐。がん化学療法剤は、脳の嘔吐中枢における神経細胞に付着し患者に嘔吐などを起こさせるサブスタンスPを放出するが、同剤は、サブスタンスPがこの神経細胞に付着するのを阻害し、悪心や嘔吐を防ぐ。
また、CHMPは、以下2品目のジェネリック医薬品について承認勧告を行った。
▽Hospira UK Ltd社のPemetrexed Hospira UK Limited(ペメトレキセド)点滴濃縮液用粉末(100mg、500mgおよび1000mg)。適応症は、切除不能の悪性胸膜中皮腫および局所進行もしくは転移非小細胞肺がん(NSCLC)。先発品は、Eli Lilly社のAlimtaで、2004年9月20日に承認されている。
▽KRKA, d.d, Novo mesto社のEmtricitabine/Tenfovir disoproxil Krka d.d(エムトリシタビン/テノホビルジソプロキシル)200mg/245mgフィルムコート錠。適応症は、HIV感染症。先発品は、Gilead Sciences社のTruvadaで、2005年2月21日に承認されている。