ハーボニー配合錠の偽造品が市場流通 ギリアドが緊急の注意喚起
公開日時 2017/01/18 03:51
ギリアド・サイエンシズは1月17日、奈良県内の特定の薬局チェーンにおいてC型肝炎治療薬ハーボニー配合錠の偽造品が発見されたと発表した。錠剤の成分は現在調査中。同社は即座に、医師、薬剤師、患者向けのレターをホームページに掲載し、事実経過と有害事象への対応などで注意喚起を開始した。また、24時間対応の偽造品専用ホットライン(0120-631-042)を開設し、同剤を処方された患者や医療者からの問い合わせに対応する方針を示した。
ハーボニー配合錠の偽造品は、ギリアドの正規取引先(スズケン、東邦薬品、葦の会)以外の経路から奈良県内の薬局チェーンが入手したもの。調剤した事例が認められた。ハーボニー配合錠の正規品は、だいだい色のひし形の錠剤で、表面には「GSI」、反対側には「7985」と刻印されている。ところが偽造品は、形状の異なるものや、色の薄いもの、さらには錠数の異なるもの、ソバルディ―錠と外観が類似したものなどが見つかった。
このため、ハーボニー配合錠を処方する医師に対しては、患者の状態に変化がないか確認を求めたほか、真正品と異なる製剤の服用が疑われる場合には、薬効欠如を含めて有害事象が起こっていないかの確認を求めた。
薬剤師に対しては、患者の前でボトルを開封し、①ボトル口部にアルミシールがされているか、②錠剤の形状・刻印・色、③錠剤数(ボトルあたり28錠)-を確認するよう求めた。なお、ボトル開封後の製剤の安定性は45日まで確認されている。そのほか服用を完了した患者については、真正品と異なっていたと連絡を受けた場合には有害事象が起こっていないか確認するとともに、主治医への受診を勧め、主治医にもその旨を伝えるとした。
患者に対しては、不自然な点が見られた場合は、速やかに調剤された医療機関や薬局まで問い合わせるよう喚起した。
◎偽造品で厚労省も4課長通知を都道府県に送付
厚労省は同日、ハーボニー配合錠の偽造品が市場に流通し、調剤された事案が認められたことから、医政局総務課、経済課、医薬・生活衛生局総務課、監視指導・麻薬対策課の各課長連名通知を都道府県に送付した。薬局および医薬品の販売業者については、その譲渡人の氏名等に関する記録を作成し、保管するよう求めた。また、通常と異なると認められる医薬品については、所管の都道府県等に連絡するよう求めている。
このほか同省は4課長連名通知を日本保険薬局協会など関係団体にも送付し、会員への周知を求めた。