アステラス 世界アンチ・ドーピング機構と契約締結 国内製薬企業で初 開発品の情報を提供
公開日時 2016/10/17 03:51
アステラス製薬は10月14日、世界アンチ・ドーピング機構(以下、WADA)と、スポーツにおけるドーピングを目的とした医薬品の誤用や乱用の防止に向けた国際的な連携に関する契約を締結したと発表した。アステラスは、ドーピングに乱用される恐れがあるアステラス及び子会社が単独開発中の化合物を特定し、その検出方法を含めた関連情報をWADAに提供する。さらにアステラスは、臨床試験期間中にドーピングで使用される恐れがある化合物の誤用のリスクを最小限に抑えることにも協力する。
一方で、WADAが、アステラスが開発中の化合物を扱っている「ブラックマーケット」の存在を確認した場合、その情報をアステラスに提供する。
アステラスの安川健司上席執行役員・経営戦略担当は、「ドーピングを目的とした医薬品の誤用を防止するWADAと連携する初の日本の製薬企業であることを誇りに思う」とし、「ドーピングによってスポーツでのパフォーマンスを高めることは世界中のスポーツ界及び公的機関から重大な公衆衛生上の問題とみなされている。製薬会社がこの公衆衛生上重要な懸念に対する取り組みを支援することは大変重要なこと」とコメントしている。
ドーピングでは、市販薬だけでなく、まだそれほど知名度が高くない、あるいは検出が困難な開発段階の化合物が誤用・乱用されることが少なくないという。