CSLベーリング プロトロンビン複合体を国内申請 ワルファリン服用者の手術での出血抑制で
公開日時 2016/08/26 03:52
CSLベーリングは8月25日、静注用人プロトロンビン複合体製剤「BE1116」(開発コード)を日本で承認申請したと発表した。申請は同日付。経口抗凝固薬ワーファリンなどビタミンK拮抗薬服用患者の重篤出血時や緊急手術時などで、抗凝固状態を早急に是正したい場合に用いる。16年3月に希少疾病用医薬品に指定されている。
血栓塞栓症の治療や予防に用いるワーファリン(一般名:ワルファリンカリウム)に代表されるビタミンK拮抗薬の服用患者では、出血時や出血が予測される際の止血管理が重要となる。一般的には休薬やビタミンKの投与で対処するが、出血傾向の是正までに数時間以上かかる。このため、重篤出血時や緊急手術時など抗凝固状態を早急に是正する必要がある場合の十分な対処法がなかった。BE1116が承認されれば、この適応を持つ唯一の薬剤となる。
厚労省の「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会」で日本脳卒中学会から早期開発の要望が出され、同社が厚労省の開発要請を受けて国内開発した。BE1116は16年7月1日現在、欧米など42の国・地域で承認されている。