EMA 9月に組織再編 効率化・合理化目指す
公開日時 2016/08/09 03:50
欧州医薬品庁(EMA)は7月29日、業務運営の効率化や合理化を目指し、部署の簡素化など内部組織の再編を9月1日付で実施すると発表した。EMAと各国規制機関との協力を推進する部署の新設などを行う。
EMAが行う主な組織再編は以下の通り。
▽ヒト医薬品の所管を4部署から3部署(医薬品開発者の支援、医薬品評価、ファーマコビジランスおよび査察など医薬品管理)とする。
▽EMAと各国規制機関との協力を推進する部署の新設。新部署は、2020年に向けて欧州のレギュラトリーサイエンスのイノベーション促進などを目的にEU共同ネットワークの構築を担当する。
▽業務の円滑化を目的として、戦略計画、予算・監察、財務・調達、スタッフ支援などの各部門を通して、管理および業務運営を担当する部署の合理化を図る。
EMAは2013~14年にかけて組織再編を行ったが、今回は当時の再編を踏まえ、一層効率化を促進することとそれが良好な業務結果に反映されるよう組織の再設計および微調整を行う考え。EMAは、再編によるステークホルダーとの関係には影響はないとしている。
EMAのGuido Rasi専務理事は、「我々は、EMAの機構および医薬品のライフサイクルに関わるプロセスを設計することによって我々が持っているリソースから本来生む以上の成果を生み出したい」と意欲を示した。その上で、「本日発表した組織再編を実施することで、我々は、過去2年間で成功した組織再編モデルを微調整し、我々の業務管理効率を強化する」と話した。
なお、EMAは全く言及していないが、今回の再編は、英国のEU離脱によりEMAが英国以外へ移転しなければならないため、それを念頭に置き、身軽にするための措置ではないかとの憶測も生まれそうだ。