英GSK 英工場に新規投資を発表
公開日時 2016/08/03 03:50
英国のEU離脱を前に英国の医薬品産業の地位低下を懸念する声も出ている中、これを否定するかのように英グラクソ・スミスクライン社(GSK)が、英国の工場3か所に対して大型投資を行うことが分かった。GSK社が7月21日発表した。
投資対象となったのは、ダーハム州バーナードキャッスルにある同社2番目に大きい工場で、現在1100人が働いている。同工場に新たに既存品および現在開発中の製品を生産するための無菌・滅菌施設の建設に9200万ポンドを投資する。また、スコットランド・アンガス州のモントローズ工場に新規呼吸器疾患治療薬の製造施設を1億1000万ポンドかけて建設する。同工場では現在、呼吸器疾患治療薬、抗HIV薬およびワクチン類を生産している。従業員は450人を超える。さらに、ハートフォードシェア州ウェアの工場では、喘息治療薬Ellipta吸入剤を生産しているが、同剤の生産能力向上のため7400万ポンドを投じて施設拡張を図る。現在の従業員は1200人。
GSKは現在、英国に上記3か所を含め、9か所の製造施設を持ち、約6000人の従業員を有する。GSKは、英国を、多数の熟練技術者が存在し、科学的インフラの整備、競争力に有利な税制などの観点から高度生産システムには魅力的なロケーションと位置付けている。
同社のAndrew Witty CEOは、「本日の発表は、我々のパイプラインを支えるさらなる投資を反映しており、新発売したイノベイティブなポートフォリオ製品へのますます増える需要に応えるものである」と新規投資の理由を述べた。その上で、「我々が英国の高度生産システムにこのような投資を行うことは、我々の熟練技術者とライフサイエンスにおける我が国における指導的地位の証しである。英国で生産し、多くの薬剤を世界の患者に届ける」と英国における生産拠点に揺るぎがない点を強調した。