シャイアー バクスアルタとの合併完了 国内では事業継続を最優先に 統合時期は未定
公開日時 2016/06/07 03:50
アイルランドのシャイアー社は6月6日、米・バクスアルタ社との合併を完了したと発表した。バクスアルタ社は、シャイアー社の完全子会社となる。両社ともに、希少疾患をパイプラインにもつ企業で、バイオテクノロジーの世界的なリーディングカンパニーとなる。国内でも両社の事業統合を進めることになるが、合併時期など詳細は「現時点では未定」(シャイアー・ジャパン広報)で、事業継続を最優先に統合に向けた調整を進める。
◎シナジー効果による業務効率化は年間5億ドル以上に
シャイアー社は、血液、免疫、神経科、ライソゾーム病などの製品ラインアップをもつ。バクスアルタ社も血液、免疫、腫瘍での希少疾患などに対してのポートフォリオをもつ。合併により希少疾患でさらに強固なポートフォリオを持つことになる。シャイアー社によると、合併により年間売上高の約65%が希少疾患の売上高によるものとなる見込みという。
さらに、シナジー効果で年間売上高2桁成長、2020年までに売上高200億ドルを超える見通しを立てる。一方で、業務効率化によるコスト削減は年間5億ドル以上、米国会計基準による実効税率は16~17%としている。
シャイアー社のフレミング・オルンスコフCEOは、「患者を第一に考え、革新的で持続可能な成長を目指していく」姿勢を改めて強調。合併発表以降の統合作業について、「ベンチマークであった同規模の合併案件よりも早いスピードで進めている」と説明した。
合併に際し、バクスアルタの株主は1株に月、現金で18.0ドルとのADS(米国預託株式)0.1482株を受け取った。