エーザイ、味の素 消化器スペシャリティファーマ「EAファーマ」 MR440人体制で4月1日発足
公開日時 2016/03/31 03:51
エーザイと味の素は3月30日、15年10月の統合契約に基づき、消化器スペシャリティファーマ「EAファーマ」が予定通り4月1日に発足すると発表した。EAファーマは、エーザイの消化器疾患領域事業と、味の素100%子会社で消化器領域を強みとする味の素製薬が統合した新会社。エーザイ広報部によると、新会社のMRは440人体制で、このうちエーザイ出身は110人。エーザイ出身者は出向の形をとる。発足時の取り扱い製品は抗潰瘍薬パリエットなど24製品となる。
新会社の株式はエーザイが60%、味の素が40%を保有する。社長には清水初・エーザイ代表執行役が4月1日付で就任する。所在地は現在の味の素製薬の所在地と同じ。研究開発から販売まで、炎症性腸疾患(IBD)をはじめとした消化器疾患に特化した国内最大のスペシャリティファーマを設立することで、同領域のアンメットニーズに応え、新薬を継続的・効率的に創出することを目指す。
なお、エーザイは▽認知症関連・神経変性疾患▽がん――の2領域に経営資源を集中する。
■ヒュミラの消化器関係の適応症 EAファーマが情報提供・収集活動へ 開始時期を「検討中」
エーザイは新会社に消化器関係の製品を移管し、その売上は計約400億円。味の素製薬の14年度売上は432億円。単純合算すると新会社は800億円以上の規模となる。
発足当初の取り扱い製品には、ヒト型抗ヒトTNFαモノクローナル抗体「ヒュミラ」(一般名:アダリムマブ)が含まれていない。しかし、新会社の4月1日付人事では、「ヒュミラ推進部長」として、城田研・エーザイEAファーマ統合事務局アソシエートディレクターが就任予定になっている。この点についてエーザイ広報部は本誌取材に、「ヒュミラの消化器関係の適応症のみ、EAファーマが(製造販売元の)アッヴィ合同会社とコ・プロモーションする予定。開始時期は検討中」と説明した。ヒュミラは現在、アッヴィとエーザイがコ・プロしている。同剤は適応症に関節リウマチなどを持ち、消化器関係ではクローン病、潰瘍性大腸炎、腸管型ベーチェット病がある。
このほか、味の素製薬が販売提携している骨粗しょう症治療薬アクトネルや降圧配合薬アテディオなどの販売・情報提供活動のスキームは、EAファーマになっても変更はない。
【EAファーマの取り扱い製品】 ( )は薬効分類
アズロキサ顆粒2.5%、錠15mg(胃潰瘍治療薬)
アルギメート点滴静注10%(高アンモニア血症改善薬)
アルギU点滴静注20g、配合顆粒(尿素サイクル異常症薬)
ESポリタミン配合顆粒(必須アミノ酸製剤)
エレンタール配合内用剤(成分栄養剤)
エレンタールP乳幼児用配合内用剤(新生児・乳幼児用成分栄養剤)
エンテロノン-R散(耐性乳酸菌製剤)
強力ネオミノファーゲンシー静注5mL、20mL/P静注20mL/静注シリンジ20mL、40mL(肝臓疾患用剤・アレルギー用薬)
グリチロン配合錠(肝臓疾患用剤・アレルギー用薬)
グルカゴン注射用1単位「イトウ」(合成グルカゴン製剤)
セルベックスカプセル50mg/細粒10%(胃炎・胃潰瘍治療薬)
テレミンソフト坐薬2mg、10mg(排便機能促進薬)
ニフレック配合内用剤(経口腸管洗浄剤)
パリエット錠5mg、10mg、20mg(プロトンポンプ阻害薬)
プロクトセディル坐薬/軟膏(痔疾治療薬)
ヘパンED配合内用剤(肝不全用成分栄養剤)
マーズレンS配合顆粒/配合錠0.375ES、0.5ES、1.0ES(胃炎・潰瘍治療薬)
モビプレップ配合内用剤(経口腸管洗浄剤)
モリヘパミン点滴静注(肝不全用アミノ酸注射液)
ラベキュアパック400、800(ヘリコバクター・ピロリ除菌治療薬)
ラベファインパック(ヘリコバクター・ピロリ除菌治療薬)
リーバクト配合顆粒/配合経口ゼリー(分岐鎖アミノ酸製剤)
リパクレオン顆粒300mg分包/カプセル150mg(膵消化酵素補充剤)
レンチナン静注用1mg「味の素」(抗悪性腫瘍剤)
【提携販売品】
アクトネル錠2.5mg、75mg(骨粗鬆症治療薬、販売:エーザイ)
アクトネル錠17.5mg(骨粗鬆症治療薬、骨ベージェット病治療薬、販売:エーザイ)
アテディオ配合錠(降圧配合薬、販売:持田製薬)
アテレック錠5、10、20(降圧薬、販売:持田製薬)
アミユー配合顆粒(腎不全用必須アミノ酸製剤、販売:陽進堂)
ファスティック錠30、90(速効型食後血糖降下剤、販売:持田製薬)
15年10月16日配信のニュース記事「エーザイ消化器事業と味の素製薬が統合 16年4月に新会社設立 国内最大の消化器スペシャリティファーマへ」は、こちら。