味の素製薬 新規の経口便秘薬AJG533 持田と共同で開発・販売で契約締結
公開日時 2016/03/22 03:51
味の素製薬は3月18日、日本で慢性便秘症治療薬として開発しているAJG533(一般名:Elobixibat)について、持田製薬と共同開発・販売する契約を締結したと発表した。共同開発して味の素が製造販売承認を取得した後、同一製品名で共同販売する。
味の素は本誌取材に、持田をパートナーとしたねらいについて、「最速での開発を推進したいため」とコメント。持田は本誌取材に、循環器など重点5領域に消化器を位置づけていないもののAJG533を手掛ける理由について、▽広く内科領域を得意とし、品目ごとにビジネス展開を検討している▽承認申請中の潰瘍性大腸炎治療薬MD-0901(開発コード、経口メサラジン製剤)との相乗効果が期待できる――ということを挙げた。
AJG533は、胆汁酸の再吸収にかかわる胆汁酸トランスポーターを阻害し、自然な排便を促す新規機序の経口便秘薬。日本では、慢性便秘症を対象としたフェーズ3試験と長期投与試験が行われている。両社は、「既存薬にない特徴を備えた新たな作用メカニズムのAJG533を提供することにより、慢性便秘症の治療選択肢の幅を広げ、患者のQOL向上に一層貢献できるよう努めていく」とコメントしている。
AJG533はスウェーデンのアルビレオ社が創製したもの。味の素は12年4月に、アルビレオ社から日本やアジアにおける独占的な開発・販売権を取得したと発表している。