新型エピデミック:薬物依存
公開日時 2016/02/29 00:00
メディカル・ジャーナリスト西村由美子急激に全米に拡大して米国人の死亡率を押し上げ、まったく伝染しないにもかかわらず、流行性の伝染病と同等にエピデミックとして扱われることになった米国の「薬物依存」。深刻なのは麻薬ではなく鎮痛剤である。急激に増加する薬物事故死鎮静剤などの過剰摂取による死亡者が急激に増加している米国。CDCはついに「薬物中毒」を新型エピデミックと命名するに至り、国を挙げての増加抑止に乗り出すと表明した。図1は米国における薬物中毒死数の推移を、棒グラフによって死亡者総数を、折れ線グラフによって男女別死亡者数の推移を示している。図に明らかな通り、2001年には1万人に満たなかった薬物の過剰摂取などによる死亡者数は、2014年には25000人を上回るまでとなった。図2に明らかに示されて...