EMA 全臨床試験把握の新制度 18年10月本格稼働へ
公開日時 2016/01/20 03:50
欧州医薬品庁(EMA)は2016年の事業計画で、EU内で実施される全臨床試験の状況をウエブ上で確認することができることなどを盛り込んだ新たなEMA臨床試験規制(Clinical Trials Regulation)を遅くとも2018年10月にはスタートさせる方針を固めた。EMAの理事会は、12月に開催した会議で、2016年事業計画および予算などを承認する中で決定した。
EMA臨床試験規制(Clinical Trials Regulation)では、臨床試験の実施承認や監督のプロセスの大幅な見直しを求めている。インターネットを活用したポータル・データベースサービスでは、臨床試験の申請書提出および(申請書類)管理、承認をポータルサイト上で行い、 評価や監督を可能にする。同時に、これはEU内で実施される全臨床試験の公開情報のソースとなり、試験開始から結果までを閲覧できるようになる。
2017年8月までに監査を受け、実施了承となれば、遅くとも2018年10月までに新たな臨床試験規制が発 効する予定だ。EMAの理事会では、この予定は余裕を持って組まれており、発効時期を前倒しするために最大限の努力をするとしている。
◎医薬品承認件数は110件を見込む
事業計画では医薬品承認申請数が2016年に110件(15年:112件)になると見込んでおり、予算は対前年比5.4%増の3憶2471万ユーロ(約415億円)とした。医薬品開発に対する助言を行う相談件数は546件、このうち33件が医療技術評価(HTA)に関するものとしている。なお、2015年実績は510件。
EMAの事業計画案および予算案は、EUの新規の財務規制で独自にその策定が求められ、今回がその第1回目で、詳細については、2016年第1四半期にEMAのウェブサイトで公表される予定。このほか、今回の理 事会では、一部幹部の異動および組織変更が了承された。