ノバルティス 半導体企業と提携 次世代COPD薬専用吸入器を開発へ 病状モニター可能に
公開日時 2016/01/20 03:50
ノバルティスは1月19日、日本法人を通じて、COPD治療薬のオンブレス、シーブリ、ウルティブロに用いている専用吸入器「ブリーズヘラー」の使用データをIT技術を用いてほぼリアルタイムで得られるようにするため、半導体企業の米クアルコム社の子会社クアルコム・ライフ社と提携すると発表した。COPD患者自身が容易に自己管理できるようにし、服薬アドヒアランスの向上につなげる。2019年の実用化・発売を予定している。海外でこれから臨床試験を開始するが、日本での開発は未定。
吸入器の中に小型、使い捨て、低電力消費モジュールを搭載し、吸入器の使用時間や使用状況などのデータを取得する。そして、このデータはクラウドに送られ、患者や医師らが携帯端末などでCOPDの状態をモニターできるようにする。どのようなデータを取得するかはこれから詰める。
ノバルティスのデビッド・エプスタイン社長は、「ほぼリアルタイムでのデータ取得を可能にすることにより、患者は良好な健康アウトカムを得るために必要不可欠な自分自身の服薬アドヒアランスをモニターすることができる」とコメントしている。同社は、呼吸器系疾患の治療で、吸入から服薬管理までの一連の流れをクラウドとつながった次世代吸入器を通じて提供する初めての企業になることを目指している。