～バリューベース・ヘルスケア時代の病院経営～ボストンコンサルティンググループシニア・パートナー植草徹也急速に悪化する医療機関の経営2010～2011年、本誌に「病院経営戦略概論」と題する拙稿を寄せてから約５年が経過した。その連載で筆者らは、実地調査と財務データ分析に基づいて、我が国医療機関の収益力に中期的な懸念があることを説き、経営の効率性を上げるための処方箋を示した。しかし、2010年度は10年ぶりに診療報酬のプラス改定が行われ、多くの医療機関で軒並み高収益が記録され、2000年代にDPCへの対応から始まった経営改善への取り組みが、やや後退した感は否めなかった。むしろ、高収益を背景にして、大規模病院の建て替えブームが起き、真新しい建物を目にする機会も増えたくらいだ。しかし、2014年４月の...