富士フイルムRIファーマ 神経内分泌腫瘍の治療薬を導入、国内開発へ PRRTに使用
公開日時 2015/06/23 03:50
富士フイルムRIファーマは6月22日、国内での年間受療者が1万人程度という希少がんで、外科手術不能な場合の治療選択肢が限られている神経内分泌腫瘍(NET)の治療薬として「ルテチウムドータオクトレオテート(177Lu)」の国内開発・販売等に関わるライセンス契約をAdvanced Accelerator Applications International社と締結したと発表した。欧米ではフェーズ3実施中。国内での開発スケジュールは今後検討する。
NETに対する治療薬としては、日本では膵NETにはアフィニトール(ノバルティス)、スーテント(ファイザー)、膵・消化管NETに対してはザノサー(ノーベルファーマ)などが承認されているが、より有効な治療法が求められているという。今回、導入された薬剤は、放射性医薬品で、NETにソマトスタチン受容体が高頻度で発現していることに着目し、ソマトスタチンアナログに放射性物質を付けた同剤を患者に投与し、NETに対し体内から放射線を照射する「放射性核種標識ペプチド治療」(PRRT)に用いるもの。
神経内分泌腫瘍の診断薬を承認申請
また同社は、神経内分泌腫瘍(NET)の診断薬として「インジウムペンテトレオチド(111In)」を3月に承認申請したことを明らかにした。これもNETにソマトスタチン受容体が高頻度で発現していることを利用し、投与することで、ソマトスタチン受容体の分布を画像で見ることができ、NETの特徴を知ることができる。関係学会から厚労省の「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」に開発要望が提出されているという。同社は、Mallinckrodt Pharmaceuticals社と日本での診断薬の開発・販売等に関わるライセンス契約を締結し、導入していた。