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患者がBlue Cross社を提訴:高価なC型肝炎治療薬非採用で

公開日時 2015/05/21 03:50

米国カリフォルニア州に在住するC型肝炎患者が、保険機関・ Blue Cross社を相手に、米ギリアド社のC型肝炎治療薬Harvoni(一般名:ソホスブビル+レジパスビル配合剤)の投与患者を限定していることは不当だとして提訴を行った。同保険機関は、C型肝炎患者で重度の肝障害以外では薬剤フォーミュラリーで採用していない。原告はこれを不当だとして、同剤の使用を求める訴えをロサンジェルス高等裁判所に提起した。同患者の代理人である法律事務所Shernoff Bidart Echeverria Bentley(SBEB;本社:カリフォルニア州クレアモント)が5月15日発表した。


Harivoniは、核酸アナログポリメラーゼ阻害剤ソホスブビルとNS5A阻害剤レジパスビルの配合剤。米FDA(食品医薬品局)から「画期的新薬」の指定を受け、2014年に承認された。12週間投与での治癒率は、95~99%とされる。


Blue Cross社は、同剤については、肝障害の最終ステージ(線維化進行ステージF3)に対してのみ使用を認めている。その理由は、12週での薬剤費が約9万9000ドルという高薬価だからだ。


原告は、Shima AndreというC型肝炎女性患者で、提訴の理由について「私は子供を産みたい。母性を味わいたい。Blue Cross社が同剤の使用を認めるまで(悪化するまで)待っていられない。彼らの決定は私に生むなといっていることになる」と語っている。


訴状では、Blue Cross社は、Andre氏の肝臓が肝生検で一定量の瘢痕組織(線維化進行ステージFもしくはそれ以上)を持った時点で同剤の使用を承認することを明らかにしていると説明している。


SBEBのMichael J Bidart弁護士は、「同薬剤はC型肝炎を治癒するために開発されたが、Blue Cross社はそれを償還しない財政的決定を行った。このようなことはやめるべきだ」と批判している。


また、Ricardo Echeverria弁護士は、「製薬企業が、C型肝炎の薬がありますよと言い、でもそれを使うほどには悪くなってませんねということを想定してみなさい。(これでは)Blue Cross社は、単に患者をだましているに過ぎない」と手厳しい。


カリフォルニア州知事およびカリフォルニア州厚生サービス庁(the California State Health and Human Service Agency)が実施した調査では、2011年現在で同州には50万人のC型肝炎患者が存在し、2007~11年までにロサンジェルス郡では5万人の新規患者が発生した。米国全体では、300~400万人がC型肝炎ウイルスに感染していると報告されている。
 

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