強まる保険者の力 患者の医薬品へのアクセスの妨げも
公開日時 2015/03/31 00:00
薬価と償還の欧州の状況として、今回はドイツを取り上げたい。前回紹介した英国では、QALY(Quality-AdjustedLifeYears:質調整生存年数)が費用対効果の指標とされていたが、ドイツの状況は異なる。非営利・非政府の民営機関として独立した科学者からなる経営陣の下で2004年に発足した医療品質・効率性研究機構(IQWiG)は、数年かけて将来の医療技術評価の方法論を分析討議。その結果、IQWiGは、NICEのQALY方式をきっぱりと退けている。QALYは、費用対効果や有用性の分析の方法論として問題があるだけでなく、ある重要な問題において、イギリスとドイツでは状況が異なると考えられたからだ。ドイツでは、国民が医療技術の進歩の恩恵を受ける権利が法律で保障されている。追加費用が必要な場合...