GSKの抗てんかん薬・ラミクタール 皮膚障害で死亡例 用法・用量の遵守喚起
公開日時 2015/01/14 03:52
グラクソ・スミスクライン(GSK)は1月13日、抗てんかん薬・ラミクタール(一般名:ラモトリギン)において、薬剤性過敏症症候群など重篤な皮膚障害が発生したことから、適正使用のお願いを発出した。皮膚障害の発現率は、用法・用量を遵守しないと高率になることから、▽初期漸増時は定められた用法・用量を超えないこと、▽バルプロ酸ナトリウム併用時の投与開始2週間までは隔日投与にすること、▽増量のタイミングを守ること––の遵守を医療従事者に喚起した。適正使用に向けた情報提供に自主的に取り組む考えだ。
同剤は、てんかん、双極性障害の適応をもち、適応に加え、単剤療法、併用療法でも用量が異なる。さらに、併用薬剤によっても用量、漸増するタイミングが異なる。併用薬としては、相互作用の観点から、バルプロ酸併用の有無や、フェニトイン、カルバマゼピンなどグルクロン酸抱合を誘導する薬剤の併用の有無に留意し、用法・用量を決定することが重要だ。
今回報告された、重篤な皮膚障害から死亡に至った2例も、▽バルプロ酸併用下のてんかん患者に対し、投与開始日から50mg/日投与(添付文書上は、25mg隔日投与)、▽フルボキサミン併用下の双極性障害患者に対し、投与開始日から50mg/日投与(25mg隔日投与)––と高用量が投与され、薬剤性過敏症症候群を発現し、死亡に至っている。
同社は、皮膚障害が発現した場合に、投与をただちに中止することを求めたほか、処置が遅れると重篤な転帰をたどるケースがあることから、早い段階での皮膚科専門医への相談、紹介することを喚起した。
重篤な皮膚障害の初期症状としては、皮膚症状に加え、▽38度以上の高熱、▽口唇、口腔内のただれ、▽目の充血、▽全身の倦怠感、▽咽頭痛、▽リンパ節腫脹––を挙げ、患者への服薬指導を行うことも求めた。
(訂正)下線部の用法用量の記載に誤りがありました。訂正いたします。(1月14日11時57分修正)