厚労省 死亡例発生でジェブタナの添付文書改訂を指示 G-CSFの予防投与も考慮
公開日時 2014/12/24 03:52
厚労省医薬食品局は12月22日、前治療歴のある転移性去勢抵抗性前立腺がんに用いるジェブタナ点滴静注(一般名:カバジタキセル アセトン付加物)について添付文書を改訂するよう日本製薬団体連合会に通知で指示した。同薬は、サノフィが9月4日に発売し、12月17日までに発熱性好中球減少症による死亡が5例報告されていた。
死亡例がいずれもリスク因子を有していたことや、適切な抗生剤投与が直ちに行われていなかった症例もあったことなどから、添付文書を改訂し、「重要な基本的注意」の項に▽顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)製剤の適切な使用について、最新ガイドラインを参考に考慮する▽65歳以上、既往歴などリスク因子を有する患者ではG-CSF製剤の予防投与を考慮する▽発熱性好中球減少症が発現した場合は最新のガイドラインを参考に適切な抗生剤の使用を検討―などの記載を補った。
ジェブタナの発熱性好中球減少症の発生率は、国内第1相試験(P1)が54.5%(44例中24例)、海外P3でも7.5%(371例中28例)で、発売時から添付文書の「警告」や「重要な基本的注意」などの項で注意喚起されてきた。ただ、発売早期で死亡例の報告があり、発生率も16.8%(208例中35例)であることなどから、徹底した注意喚起が必要と判断された。サノフィは12月上旬から死亡例の報告踏まえた安全性情報の提供を行っている。