GSKとAvalon、2年で3社のベンチャーを生み出す(その1)
公開日時 2014/11/28 03:50
英グラクソスミスクライン(GSK)とベンチャーキャピタル企業Avalon Venturesは、アカデミアから由来するバイオベンチャー起業に関する提携関係を構築、すでに提携開始以来2年間で3つのベンチャー企業を立ち上げた。
GSKとAvalonは、まず、2013年11月にシリーズAファイナンシング(ベンチャーキャピタルなどが起業直後のベンチャー企業に対して行う投資:投資の分類の1つ)で1000万ドルを出資、Sitari Pharmaceuticalsを発足させた。同社の目的は、トランスグルタミナーゼ2という酵素のパスウェイが阻害されることによって発症する自己免疫疾患のセリアック病治療薬の開発である。
両社は、さらに、今年9月には、シリーズAファイナンシングで1000万ドルを出資してSilarus Therapeuticsおよび同じ1000万ドルを出資、Thyritope Biosciencesを設立した。Silarus Therapeuticsは、赤血球細胞に対する鉄の供給を調整しているホルモンであるエリスロフェロンを標的とした鉄欠乏症および鉄過剰症治療薬の開発を目的としている。Thyritope Biosciencesは、甲状腺を過剰に刺激する抗体によって引き起こされる自己免疫疾患であるグレーブス病治療薬の開発を目指している。
それぞれ大学発基礎研究がベースで、Sitari Pharmaceuticalsは、スタンフォード大学の研究者の知的財産権(IP)、Silarus Therapeuticsは、カリフォルニア大学ロスアンジェルス校の研究者のIP、Thyritope Biosciencesをは、カリフォルニア大学サンタバーバラ校の研究者による分子進化技術に基づいている。
Avalonとの提携を考え出したGSKのLon Cardon上級副社長(代替創薬・開発担当)は、10月にニューヨークで開催された医薬品戦略会議(The Pharmaceutical Strategy Conference)において、「スタートから2年間で3つの企業を持てたことを誇りに思う」と自信を示した。
The Pink Sheet 11月17日号(次号に続く)