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EFPIA 中国に新薬開発モデルIMIを勧める

公開日時 2014/10/22 03:50

世界の工場としての中国は、ベトナムなど他のアジアの諸国のように投資するのに魅力的な市場の転換しつつある。そのようななか、中国は教育や医薬品研究のような高価値のある分野での投資に力点を置き始めている。

このような中国の変貌を背景に、欧州製薬団体連合会(EFPIA)は、9月26日から2日間の日程で、会長のChris Viebacher(仏サノフィCEO)を団長とした中国への第1回代表団を派遣した。代表団は、34の業界団体、40の医薬品企業代表から構成された。

2日にわたり、中国規制当局担当者、保険当局担当者、中国製薬業界団体RDPAC幹部らとパネルディスカッションなど会合を持った。Viebacher会長は、パネルディスカッションの挨拶のなかで、中国市場の可能性について説明した。

中国は現在ヘルスケアにはGDPの約5%を投資、欧州の8-9%に比べると低い。しかし、現在、中国は米国のR&D投資の61%を占め、年成長率は12%から20%であり、22年には米国を抜くと予測される。また、中国は現在、医薬品特許の61%を持ち、発表される論文の30%は中国によるものだ。毎年、欧州や北米から帰国した100万人が中国の「人材蓄積」(talent pool)に加わる。

しかし、中国には、その可能性にも関わらず、克服しなければならない課題がある。Viebacher会長は、そのひとつとして時間のかかる審査過程を指摘する。「FDAもしくはEMAの承認がないと中国で承認取得することは非常に難しい」という。そのような障害をなくすために、中国のR&D能力を手助けする必要があるという観点から、サノフィはすでに天津血液研究所(Tianjin Institute of Hematology)と共同研究を行っている。

同会長は、今回の視察中、サノフィの2件の提携を明らかにした。ひとつは、上海技術大学GPCR研究所(ShanghaiTech University’s GPCR Institute)で、もうひとつは現地ベンチャーのZai Labである。

EFPIAは中国医薬品産業が発展するためには、欧州での官民R&DパートナーシップのIMI(Innovative Medicine Initiative)のようなモデルを導入することを望んでいる。EU(欧州委員会)とEFPIAの共同プロジェクトであるIMIは、12年から14年には33億ユーロを投資、アルツハイマー病や糖尿病など個別の疾患の研究や小規模ベンチャーの支援などに振り向けられ、成果を上げつつある。IMIは官民協力プロジェクトでは世界最大級のひとつという。15年からは、またIMIは更新されて継続する。

EFPIAはこのIMIを中国に導入させ、医薬品研究開発の効率化を図ることを呼びかけた。ハーバード大学の神経学者Ole Isacson氏は、一般論として、研究分野では、科学的能力と(各種)基準に焦点を当てるべきで、その充実には協力が推奨されると発言、同氏の研究チームはiPS細胞を活用、効率的研究を行っている実態を示した。中国BeiGene社のLusong Luo氏は、中国ではまだiPS細胞技術が導入されていないとし、今後、国がその機会を提供できるとするなどと発言、中国での官民の協力で先進的研究を進めるためにも、中国版IMMが必要なことを示唆した。(The Pink Sheet 10月13日号)

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