【World Topics】薬の食べログ?注目集める薬の消費者評価サイト
公開日時 2014/10/10 03:50
米国ではヘルスケア関連事業へのベンチャー投資が加熱している。投資家への精緻な情報提供で知られる”Rock Health”の調査によれば、デジタルヘルスへの投資額は2014年上半期だけで総額2.3ビリオンドル(約2300億円)を超えており、すでに上半期だけで、2013年の年間投資総額を上回っている。(医療ジャーナリスト 西村由美子)
ウェアラブルの医療機器によるパーソナルデータ採取とその活用も依然としてブームだが、最新のトレンドはなんといってもウェブを用いて大量に採取するビッグデータのリアルタイム解析とその活用である。
注目を集めているのが、消費者の意見で構成した医薬品評価サイト”Iodine”だ。
http://www.iodine.com/
ファウンダーは雑誌”Wired”の編集者とグーグルのエンジニアという、業界と技術を熟知した2人組。ビジネスモデルはまだ再集計になっていない、とはいうものの、Google Surveyを利用して消費者から独自に収集した医薬品評価情報をもとに、学術研究、各種調査、行政機関が公表しているデータ等を組み合わせた独自の解析結果をあわせて、さまざまな消費者向け参考情報を組み立てて魅力的且つわかりやすいサイト構成になっている。
トップページから医薬品名で評価結果が検索でき、各医薬品別ページには「服用する価値があるか?」「実際に効いたか?」「よくないと思ったか?」等の調査結果が、まずは全体集計で(回答者数も)示され、さらに、年齢階層別、男女別等の集計結果を見ることができる構成。市販薬名、ジェネリック医薬品名、処方対象疾患、薬効の簡単な開設等が一覧できる。服用のメリット、デメリット、副作用、リスク、効果と副作用の兼ね合いをクロス集計した消費者の評価分布、さらにはその医薬品に関するFAQまでが参照できる。
国民の75%が少なくとも1つ、50%が2つ以上の常備薬を服用しているといわれる米国。ニーズは大きい。