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ノバルティス 学会期間中の全国講演会で旅費負担 公取協から指導

公開日時 2014/08/28 03:50

ノバルティスファーマは8月27日、糖尿病専門医対象の全国講演会で、同時期の学会に出席した医師の旅費も負担したとして、医療用医薬品製造販売業公正取引協議会(公取協)から指導の措置を受けたと発表した。医療用医薬品の取引を不当に誘引する手段で、医療担当者に景品類を提供したとして、公正競争規約(公競規)第3条(景品類提供の制限の原則)への違反があったと判断された。

対象となったのは、4月13日に、都内のシェラトン都ホテル(東京都品川区)で開催された全国講演会“これからの糖尿病治療戦略を考える”。全国から200人の糖尿病専門医が参加し、首都圏以外から参加した160人の医師の旅費(宿泊費、交通費)を負担した。このうち、71人の医師が都内で開催された第111回日本内科学会(期間:4月11~13日、会場:東京国際フォーラム・東京都千代田区)にも出席していたが、同様に旅費を負担していた。71人の医師の旅費の総額は、510万円。


公競規の運用基準では、研究会・講演会の実施に際し、交通費は実費、宿泊費は社内規定で定められた範囲内での製薬企業の負担が認められている。今回の講演会でも、この点についての逸脱は認められなかったという。
ただ、講演会のターゲットとする医師が、糖尿病専門医であったことから、内科学会へ出席は想定していなかったという。


同社は、再発防止策として、▽全社員への公競規の周知、遵守の徹底、▽社内審査用の資料では、講演会についてのチェックリストを活用、▽MRが講演会に参加する医師を登録、管理するシステムでの、関連学会への参加の項目を追加、▽関連学会の確認、チェックの強化――を行うとしている。


公取協によると、「指導」は公競規第3条違反があったときの処分で、正式な処分である“警告”に準じた措置が行われる。公取協からの文書での通知に加え、会員製薬企業に対し、文書を通じ注意喚起が行われる。ただ、通常製薬企業名は明らかにされないという。本年度は製薬企業への指導は2件目だが、昨年度には1件もなかったとしている。
 

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