大鵬薬品 5月発売のロンサーフ配合錠 国際共同P3で進行・再発大腸がんのOSを有意に延長
公開日時 2014/07/14 03:51
大鵬薬品はこのほど、大腸がんの治療に用いる経口のヌクレオシド系抗悪性腫瘍剤ロンサーフ配合錠(一般名:トリフルリジン・チピラシル塩酸塩)について、国際共同臨床第3相試験(P3)において、プラセボ群に比べて全生存期間(OS)を有意に延長したと発表した。
同配合錠は国内P2の結果に基づき、この5月に「治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸がん(標準的な治療が困難な場合に限る)」の適応で世界に先駆けて発売された。このため、承認時にはP3結果を終了後に速やかに提出することが求められていた。
国際共同P3のRECOURSE試験には、日欧米などが参加。標準化学療法に不応・不耐となった治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸がん患者800人を対象とし、ランダム化二重盲検プラセボ対照比較試験として実施された。その結果、主要評価項目であるOSの中央値が、ロンサーフ投与群7.1カ月に対してプラセボ群は5.3カ月となり、プラセボ群に比べたロンサーフ群の死亡リスクが32%有意に低下した。安全性についてはロンサーフ群で好中球減少や貧血などが認められたが、問題となる事象は観察されなかったという。
RECOURSE試験の結果について、研究代表者の1人である国立がん研究センター早期・探索臨床研究センターの大津敦センター長は「新たな治療選択肢として、治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸がんに対するTAS-102(ロンサーフ)の有用性を示唆するものです」とコメントしている。
この結果を受けて、同社は米国で14年末、欧州で15年第1四半期の申請を目指す。