製薬協 多田新会長 最重要課題にコンプライアンスの徹底 各社トップに求める
公開日時 2014/05/22 03:52
日本製薬工業協会は5月21日、任期満了に伴う役員改選を行い、新会長に大日本住友製薬の多田正世社長を選出した。多田新会長は同日開かれた定例会見で、医師主導臨床研究にMRなどが不適切に関与している事例が相次ぎ発覚していることを受けて、製薬協加盟各社の経営トップに対して、コンプライアンスの徹底を最重要課題に据えて取り組むよう求めた。「ある1社の行いで社会的批判を受けると全体に波及する。これをもっと認識してもらわないと困る」と繰り返し強調し、各社経営トップから現場に周知徹底する必要性を指摘した。
多田新会長は会長就任にあたっての冒頭あいさつで、「(医薬品事業を営む者には)高い倫理性と透明性が求められるが昨今、これに反する事例が頻発しており、協会の責任者の1人として誠に慚愧(ざんき)の念に堪えない」と述べた。その上で、「会員各社がコンプライアンス遵守を最重要課題にし、相互チェックを含め、違反行為撲滅に心をひとつにすることができれば問題を克服し、世界からの信頼も回復できる」と続け、今年度の最重要事業としてコンプライアンスの徹底を掲げた。