田辺三菱 SGLT2阻害剤カナグリフロジン 日本薬学会の創薬科学賞を受賞
公開日時 2014/04/02 03:50
田辺三菱製薬は3月31日、自社創製の経口血糖降下薬である SGLT2阻害剤カナグリフロジン(一般名)について、日本薬学会の創薬科学賞を受賞したと発表した。O-グルコシド型の阻害剤研究(T-1095)によって世界で最初に経口SGLT阻害薬のコンセプトを示し、その後SGLT2阻害薬カナグリフロジンの創製に成功。そして、米国でファーストインクラスの薬剤として承認(13年3月)されたことが評価された。日本では13年5月24日付で承認申請している。
日本薬学会の創薬科学賞は、医薬品の創製及びそれに関連した薬学の応用技術の開発に関して、医療に貢献した優れた研究業績をあげた者に授与される。田辺三菱はこれまでに、同賞の第1回目となる1988年度にCa拮抗薬ヘルベッサー(一般名=ジルチアゼム塩酸塩)、03年度に脳保護薬ラジカット(エダラボン)、12年度に多発性硬化症治療薬イムセラ(フィンゴリモド塩酸塩)――で受賞しており、カナグリフロジンで4剤目の受賞となる。
カナグリフロジンは過剰な糖を対外に排泄する新規機序の経口血糖降下薬。海外ではヤンセンに導出、日本では田辺三菱が製造販売承認を申請し、第一三共と共同販売する。田辺三菱は経口血糖降下薬のDPP-4阻害薬テネリアも第一三共と共同販売しており、両剤および第一三共との共同販売のスキームにより、「糖尿病領域でナンバー1のプレゼンスの確立を目指す」としている。
なお、SGLT2阻害薬は、国内で6成分が申請されている。このうち、イプラグリフロジン(アステラス製薬)、ダパグリフロジン(ブリストル・マイヤーズ)、ルセオグリフロジン(大正製薬)、トホグリフロジン(興和、 サノフィ)の4成分は承認を取得し、イプラグリフロジンが今月にも薬価収載されて発売される見通しになっている。