インスリン治療中の2型糖尿病患者 4割は高血糖より低血糖を重視
公開日時 2014/03/05 03:52
ノボ ノルディスク ファーマはこのほど、インスリン自己注射を行っている2型糖尿病患者を対象とした調査結果をまとめた。高血糖よりも低血糖を重視する患者が42%に上り、HbA1c別にみると7~8%未満の患者は47%が、8%以上の患者でも30%は低血糖を気にしていた。日本糖尿病学会はHbA1c7%未満を合併症予防のための目標値に据えているが、調査結果からは、低血糖への懸念などから十分な血糖管理を推進することが難しい場合もあることが示唆された。
調査は、2014年1月31日から2月5日に実施した。方法はインターネット調査。有効回答数は407人。回答者の治療内容は、インスリン療法のみが28%、インスリンと経口薬の併用療法が72%となっていた。
調査の中で、低血糖につながる「血糖値のばらつきの原因」を挙げてもらったところ、食事や運動、睡眠など生活習慣に関係する内容が大半を占めた。また、治療レジメンと関連付けている患者も一定数あり、「インスリン製剤の投与単位数」26%、「インスリン注射のタイミング」20%、「飲み薬の影響」11%、「インスリン製剤の種類」10%―となった。
調査ではHbA1c7%未満に管理されている患者の背景も分析しているが、糖尿病合併症のない患者の方が合併症を有する患者よりも該当率が低くなっていた。そのため、東京医科大学内科学第三講座の小田原雅人主任教授は「早期から血糖値を良好に保つことの重要性について注意喚起する必要性が示唆されました」としている。また、低血糖を気にする患者が一定数見られている点については、「夜間低血糖リスクを高めずに空腹時血糖値を是正し、目標とするより良い血糖コントロールを目指すことができるインスリン製剤も治療の選択肢となるでしょう」と指摘している。