【World Topics】医療のグローバル市場でモバイルヘルスが急成長
公開日時 2014/02/17 03:50
医療のグローバルマーケットで今後もっとも成長が期待できる分野は”mHealth”、すなわちモバイルヘルスだ。世界各地で急速に普及している携帯端末と、それにともなって急速に拡大されているモバイルネットワークがその基盤を提供すると期待され、モバイルヘルスの市場は、世界全体で2020年までに58.8ビリオンドル(約6兆円)に達すると予測される。(医療ジャーナリスト 西村由美子)
市場調査と成長戦略で定評のあるシリコンバレーの”Frost & Sulivan”の調査報告書が注目を集めている。
http://www.fiercemobileit.com/press-releases/frost-sullivan-three-big-predictions-global-healthcare-market?utm_medium=nl&utm_source=internal
モバイルヘルスの急成長は、言うまでもなく各種モバイル技術と革新的なアプリケーションの開発が相俟ってはじめて可能になる。多様なモバイル・デバイス:たとえば携帯電話、携帯型モニタリング機器、PDAs(Personal Digital Assistants)等のワイヤレス機器の果たす役割は大きい。すでに市場に出回っている機器に加え、今後数年以内には、心肺機能のモニタリング専用機器や予防的な投薬システム等が世界規模で普及すると予測されている。
開発途上国を含め、あまねく世界中に拡大しているモバイルネットワークがプラットホームとなる。モバイル端末で世界中をリアルタイムにモニタリングできるようになれば、感染症対策も地球規模で考えることができるようになる。予防的な投薬システムの出番だ。
調査報告では、さらに、これら個人用機器が普及し、”mHealth”が一般化すれば、病院はクラウド・コンピューティング基盤のワイヤレス環境に移行することになるとし、長期的には、このような環境改善が医療の質を上げ、オペレーションを効率化し、コストを削減することを可能にすると予測している。