EMA 2013年新薬承認勧告数は大幅増の81件
公開日時 2014/02/13 03:50
欧州医薬品庁(EMA)が2013年に承認勧告(肯定的見解)を行った新薬の件数は、2012年の57件から24件増の81件となった。この新薬の承認勧告件数のなかには、希少疾病薬、バイオシミラー(バイオ後続品)、先進医療なども含まれるが、新規有効成分含有医薬品は44件だった。そのほか、希少疾病薬11件、バイオシミラー4件、先進医療(ATMPs:遺伝子治療、細胞療法もしくは組織工学など)2件などとなっている。ATMPsを承認する制度は2009年に開始され、これに基づく承認勧告は2009年1件、2012年1件だった。これでATMPsは合計4件となった。なお、バイオシミラーでは、初めて2件のモノクローナル抗体のバイオシミラーが承認勧告された。
2011年からの推移をみると、新薬承認勧告件数は2011年87件、2012年は57件と減少した後、2013年81件と増加に転じた。その内訳は、新規有効成分含有医薬品が2011年38件、2012年30件、2013年44件で、希少疾病薬は、2011年4件、2012年8件、2013年11件となった。
薬効別では、抗がん剤が16件、このうち12件が新有効成分だった。これら新規有効成分の大半は分子標的薬である。また、3剤が多剤耐性結核治療薬として希少疾病薬の指定を受けた薬剤。このほか、抗HIV薬では4剤が承認勧告され、いずれも新規有効成分だった。糖尿病治療薬は5剤で、そのうち4剤が新規有効成分となった。
EMAでは、データが十分でなくてもアンメットメディカルニーズが高い場合やアクセスの緊急性を満たすなど例外的状況においては、条件付き承認制度を運用しているが、2013年はこれに該当した承認勧告は9件あった。この9件のなかには、ファイザー社の抗がん剤Bosulif(bosatinib)、ジェネンテク社(ロシュ社)の抗がん剤Erivedge(vismodegib)、Bavarian Nordic社の天然痘ワクチンImvax、Aegerion Pharmaceuticals社の高コレステロール血症治療薬Lojuxta (lomitapide)、大塚製薬の多剤耐性結核治療薬Deltyba(delamanid)などが含まれている。