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医師主導臨床研究SIGN ノバルティスのMR関与の詳細明らかに

公開日時 2014/01/30 03:53

ノバルティスは1月28日、医師主導臨床研究SIGNの実施にMRが関与 していた問題で、東日本営業部長の了承のもと、当該施設を担当するMRが、医師によるアンケートの実施や副作用マネジメントに伴うタシグナへの変更を確認した際に、ポイントを獲得し、コーヒーチケットなどの賞品を受け取ることのできるインセンティブプログラムに参加していたことを明らかにした。また同研究の中間発表データを用いたiPad用の動画資材を作成し、昨年11月から約2か月間にわたりMRによるプロモーションに使用させていたことも分かった。


SIGNをめぐっては、医師が本来行うべきアンケート票のFAX送付を研究参加施設の担当MRが代わりに受け取り、研究事務局に届けていたことが明るみとなり、1月23日には同社の二之宮義泰社長が謝罪している。加えて、こうしたMR関与の裏側に、アンケート票の獲得を競わせるようなインセンティブプログラムが社内に存在していたことも問題視されていた。


同社によると、インセンティブプログラムは、研究参加施設を担当する東京第一ブロック(営業所相当)7人と第二ブロック8人の計15人を対象とし、13年2~6月まで実施された。具体的には個人戦と、ブロック対抗戦のそれぞれで競わせる内容。個人戦では、面会困難な医師へのアポイント獲得など、個々のMR活動の目標達成度に応じて評価され、昨年8月には上位4人と表彰者の計5人に合計2万5000円の会食の機会が与えられた。

 

一方、ブロック対抗戦は、①医師がアンケートを実施したことを確認、②副作用マネジメントの結果タシグナに薬剤が変更された、③IRB(施設内倫理委員会)の審査通過を確認した―時点でMRにポイントが付与されるというもの。2つのブロックで競わせた結果、ポイント数の多かった第一ブロックの7人にコーヒーチケット9000円分が贈られた。


同社は、降圧薬ディオバンの臨床研究データの改ざんをめぐる問題を踏まえ、昨年7月に全社で5日間プロモーション活動を自粛し、社内教育を実施していた。その中で、医師主導臨床研究には研究者が実施すべき業務に社員は一切関わらない方針を打ち出し、営業活動の範囲を明確化した新たなルールを11月5日から実施していた。


◎中間発表データでMRのiPad資材を作成、約2カ月間使用


同社はまた、SIGNの中間発表のデータをMRによるプロモーション資材として作成し、情報提供活動で使用させていたことも明らかにした。昨年10月に行われた日本血液学会での同研究の中間発表データを、同社のMRが携帯するiPadの動画資材として作成し、使用させていた。近年になってiPadをMRに携帯させる製薬企業は年々増加しており、その際、医師への情報提供ツールとして使われることが多い。特に動画については、通常の紙資材とは異なり、医師への訴求もしやすいと言われていた。同社は、今回の資材について「説明会資料」として作成したとしており、昨年11月18日から今年1月7日までの約2カ月間にわたりMRの情報提供ツールの一つとして使用させていたことを明らかにしている。


 


 

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