英NICE最終ガイダンス 黄斑浮腫治療薬Eyleaを推奨
公開日時 2014/01/17 03:50
英国立医療技術評価機構(NICE)は12月27日、独バイエル社の黄斑浮腫治療薬Eylea(アフリベルセプト)について、国民保健サービス(NHS)での使用を推奨する内容の最終ガイダンス案を発表した。Eyleaの推奨適応は、網膜中心静脈閉塞症に続発する黄斑浮腫によって引き起こされる視力障害である。同剤は、VEGF(血管内皮成長因子)阻害剤の注射液。
NICEの独立評価委員会は、同剤を当初ガイダンス案と変更なく、同剤が取得している承認適応の通りに最終ガイダンス案で推奨した。NICEのCarole Longsonヘルステクノロジー評価センターは、「黄班浮腫は患者の日常生活に重大な影響を与えるので、NICEは、最終ガイダンスでアフリベルセプト注射液を治療オプションとして推奨できることを喜んでいる。独立評価委員会は、治療へのアクセスが早くなることに役立つ推奨を直ちに最終案に持ち込んだ」と話した。
アフリベルセプトの薬価は、注射用40mg/ml液が100µlバイアルあたり816ポンド(付加価値税除く。英国ナショナルフォーミュラリー66版)。評価委員会は、製造業者の分析ではアフリベルセプトがQALY(質調整生存年)および費用の面でラニビズマブより優れていることを示したと述べているが、製造業者の検討モデルでは不確実性があるものの、NICEのエビデンスレビューグループ(ERG)が同モデルに修正を加えた結果、わずかにアフリベルセプトがラニビズマブより全体の経費節減が改善されたことを報告している。
製造業者は、割引価格による患者アクセススキームに合意しているが、それを考慮すると、アフリベルセプトのICER(増分費用対効果比)は、同疾患に使用されているデキサメタゾンと比較した場合、1QALYあたり12300ポンドとなる。評価委員会は、最悪な場合でも、ICERは、費用対効果があるとされるNHSの資源を使用できる範囲である20000ポンドから30000ポンドの上限を下回ると試算している。
ラニビズマブおよびデキサメタゾンともに網膜中心静脈閉塞症に続発する黄斑浮腫によって引き起こされる視力障害の適応でNICEから推奨ガイダンスが、前者は2013年に、後者は2011年に発行されている。確定した最終ガイダンスは、2月に発行の予定。