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乾癬患者の9割 関節症状との関連「知らない」 症状経験は4割 皮膚科医の情報不足か

公開日時 2013/10/24 03:50

アッヴィとエーザイこのほど、乾癬患者を対象とした意識調査の結果をまとめた。乾癬は表皮の肥厚や剥離など皮膚症状を伴う炎症性疾患で、関節炎を合併する場合もあるが、皮膚科医から過去一度も関節症状について聞かれたことがないと答えた患者が4人のうち3人にのぼることがわかった。乾癬で関節症状が起きることを知らない患者が9割近くいたことから、両社は「乾癬と関節症状の関連についての患者認知度は低く、背景には医師による情報提供不足が考えられる」と分析している。

 

調査はアッヴィとエーザイが企画し、マクロミルが実施したもの。調査期間は9月25日~26日で、方法はインターネット調査。有効回答数は206人。男性が79.1%だった。乾癬の疾患区分としては、尋常性乾癬が81.1%で最も多く、疾患区分がわからないとの回答は12.1%あった。使用薬剤は、頻度の高い順にステロイド外用薬76.2%、ビタミンD3外用薬54.4%、内用薬16.0%――となっている。生物学的製剤の使用は2.9%だった。

 

原因不明の関節の痛みや腫れを経験したことがあるかどうかを聞いたところ、「現在ある」が17.0%、「以前経験したが、現在はない」が20.9%だった。しかし、皮膚科医から現在診断を受けている疾患区分をみると、関節症性乾癬は2.4%にとどまった。

 

乾癬治療中に皮膚科医から関節の痛みや腫れがあるかを問診された経験がある患者は、「めったに質問されないが、質問されたことはある」が18.9%、「半年に1回など定期的に質問される」が2.9%、「受診のたびに質問される」が3.9%。「質問されたことは一度もない」が74.3%に上った。患者サイドも乾癬と関節症状との関係について「知らなかった」が65.5%、「聞いたことはあるが、詳しくは知らない」が23.3%と計9割近くが知らないと答えた。

 

日本皮膚科学会の「乾癬における生物学的製剤の使用指針および安全対策マニュアル2011年版」では、関節症性乾癬の場合は早期から生物学的製剤の使用を考慮するとし、尋常性乾癬では他の治療法でコントロールが不十分な症例について考慮すると記されている。現在、乾癬の適応を取得している生物学的製剤はTNF-α阻害薬のレミケード(一般名:インフリキシマブ)とヒュミラ(アダリムマブ)、IL-12/23p40モノクローナル抗体製剤ステラーラ(ウステキヌマブ)となっている。

【訂正】乾癬の適応を取得している生物学的製剤として、ステラーラ(一般名:ウステキヌマブ)もありました。訂正します。(10月24日12時10分)

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