肺がん治療で遺伝子検査実施は約1割 患者・家族調査で
公開日時 2013/10/10 03:50
ファイザーのオンコロジー事業部門は10月9日、肺がん患者210人、その家族338人を対象に治療の選択などについて実態調査を行い、その結果を発表した。肺がんは、EGFRやALKといった特定の遺伝子変異に対する分子標的薬の登場で、その遺伝子変異の有無により薬物治療の治療成績に違いが出てきている。そこでこの調査で、薬物治療を選択するにあたって遺伝子検査の実施の有無を聞いたところ、実施した患者は10.0%だった。「わからない」も31.9%いた。
患者(n=21人)が遺伝子検査を行った理由として最も多く挙げたのが、「特にない(医師が行った)」(38.1%)で、次いで「医師から勧められたから」(28.6%)、「自分に適した治療ができるから」(28.6%)だった。逆に行わなかった患者(n=122人)で最も多い理由は「説明がなかったから」(63.1%)で6割に上った。「検査費が高いから」は2.5%で、医師の説明の有無が実施を左右することがうかがえた。実際、医師から遺伝子検査について説明を受けた患者は9.5%だった。
遺伝子検査を知っている患者(n=16人)に、どこから情報を受けたかを尋ねたところ(複数回答)、最も多いのが「担当医」(62.5%)で、次いで「インターネット」(43.8%)、そして「マスメディア」と「医師以外の医療従事者」(共に37.5%)の順だった。