前立腺がん患者の3割が服薬時の飲みづらさを実感 OD錠経験者の8割は満足
公開日時 2013/10/04 03:50
病院や医薬品のインターネット検索サイトを運営するQLifeはこのほど、前立腺がん患者の服薬について調査した結果をまとめた。72.3%の前立腺がん患者は2剤以上の多剤を服用しており、飲みづらさなどから薬剤について不満を持つ患者が30.3%いた。一方、口腔内崩壊錠(OD)錠服用経験者の78.8%は「満足している」として、他に内服中の錠剤についてもOD錠が登場した場合には「変更したい」と考えている患者が22.5%に上ることがわかった。
調査は前立腺がんと診断され、治療中の患者を対象とした。調査時期は8月12日から19日で、方法はインターネット調査。有効回収数は250人だった。12名を除いて内服薬治療中で、このうち前立腺がんの治療目的で服用を行っている患者は41.6%だった。
錠剤を服用している患者は全体の92.8%だった。1日で最も内服数が多い場合の服用数は2錠以上が72.3%で、5錠以上も26.5%に上った。飲みづらさなど内服薬への不満を持つ患者は全体の30.3%だったが、この頻度は5錠以上服用している患者で47.6%と高くなっていた。ただ、こうした服用の悩みについて医師に相談したことがある患者は8%程度だった。
一方、OD錠を服用したことのある患者は32%(80人)で、その78.8%が「かなり満足している」「まあまあ満足している」と回答した。その理由には、半数以上が「飲みやすく負担も少なくなった」をあげた。また、OD錠服用経験者では、他の薬剤についてもOD錠への切り替えを希望する患者が22.5%いた。しかし、服用経験のない患者では切り替えの希望が6.3%にとどまっていたことから、調査を実施したQLifeは「服用経験がない高齢者にとってはOD錠は未知の薬であり、『誤嚥を減らす可能性がある』といった情報も不足していることが推察される」と分析している。