バイエル薬品 スチバーガ GISTの適応取得
公開日時 2013/08/21 03:51
バイエル薬品は8月20日、抗がん剤スチバーガ錠(一般名:レゴラフェニブ)の適応に、「がん化学療法後に増悪した消化管間質腫瘍(GIST)」を追加する承認を取得したと発表した。現在、切除不能なGISTに対しては、ノバルティスのグリベック(イマチニブ)、ファイザーのスーテント(スニチニブ)による治療が行われているが、スチバーガはそれらの後の治療選択肢となる薬剤。
GISTは、消化管壁から生じる肉腫で、他臓器転移や切除不能になると、生命予後にも影響する。日本での推計患者数は年間1000~1500人。今回のGISTの適応追加承認は国際共同フェーズ3に基づくもので、このフェーズ3には日本からも6施設17人が参加した。グリベック錠やスーテントカプセルの治療後に進行した転移性GIST患者にプラセボかスチバーガ錠を投与したところ、スチバーガ錠は無増悪生存期間を有意に延長した。
スチバ―ガ錠は、腫瘍形成や血管新生にかかわるさまざまなキナーゼを阻害する1日1回投与の経口マルチキナーゼ阻害薬で、この5月に「治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸がん」の適応で発売されている。