バイエル薬品は８月１日、医師らへの資金提供内容を開示する透明性ガイドラインに基づき、2012年度（12年１～12月）の支払い実績を同社ホームページ上で公表した。支払った総額は88億7200万円で、12年度国内医療用医薬品売上1635億円に占める割合は5.4％だった。臨床試験費を中心とする「研究費開発費等」が45億円と全体の５割を占めるが、次いで多かったのが講演会費や説明会費などの「情報提供関連費」の28億円で全体の３割程度を占めた。

開示された５つの大項目ごとに見てみる。「研究費開発費等」のうち最も支出額が多かった項目は
臨床試験費の27億9400万円（10万円以下切り捨て）で、研究費開発費等の６割以上を占める。臨床試験費はすべての開示項目の中でも最も支出額が多い。「学術研究助成費」は７億6200万円で、その内訳は奨学寄附金１億8200万円、一般寄附金２億1000万円、学会寄附金4900万円、学会共催費３億2000万円――だった。

自社品等の科学的な情報などを提供するための講演や原稿執筆の依頼などに対する費用を指す「原稿執筆料等」は５億5900万円。内訳をみると、演者や座長などへの謝礼金の講師謝金は４億4100万円で、その件数は5728件だった。原稿執筆料・監修料は7500万円、838件。コンサルティング等業務委託費は4200万円、439件だった。

「情報提供関連費」では、その６割以上を占めるのが講演会費で、費用は17億4500万円、件数は3058件だった。この講演会費は、透明性ガイドラインに基づく支払い額全体の２割にあたる。ＭＲによる自社品等説明会のための会場費や弁当代などの費用を指す説明会費は７億8300万円、件数は３万8115件。自社品等関連図書や必要有益物品（模型等）などの費用を指す医学・薬学関連文献等提供費は２億5100万円、その他情報提供関連費は2300万円だった。

ＭＲ活動の一環として提供される医療関係者との飲食費、交通費、慶弔などの費用となる「その他の費用」は２億4200万円で、透明性ガイドラインに基づく支払い額全体の2.7％を占めた。