ギブン社 国内初の大腸用カプセル内視鏡の承認取得 保険適用を申請へ
公開日時 2013/07/17 05:03
イスラエルのギブン・イメージング社は7月16日、国内初の大腸用カプセル内視鏡の製造販売承認を15日付で取得したと発表した。日本でカプセル内視鏡は他社を含めて小腸用が発売されているが、大腸用はなかった。同社は今後、なるべく速やかに保険適用の申請を行う。また、同社では今回の承認取得を機に、カプセル内視鏡の適正使用・読影技術向上に向けた研修の取組みを強化する方針で、カプセル内視鏡を使える消化器医を現在の約1000人から1万人に拡大させる計画も明らかにした。
今回承認された大腸用カプセル内視鏡「PillCam COLON 2 カプセル」には2台の小型カラーカメラ、バッテリー、LED光源が装備されている。大きさは11mm×31mm。患者が同カプセルを嚥下すると約10時間にわたって毎秒最高35枚の画像が撮影される。
大腸がんやその他の疾患の可能性が示唆される便潜血反応が認められても、肉体的、精神的苦痛などから、肛門から内視鏡を入れる大腸内視鏡検査で精密検査をする患者は54.7%にとどまるとの調査結果もある。同社は、「簡便で非常に侵襲性が低いという特徴のある大腸用カプセル内視鏡は、こうした患者さんに訴求できるものと思われる」としている。
なお、カプセル内視鏡では生検できず確定診断には至らない。このため同社では、便潜血反応が認められた後で、大腸内視鏡検査の前に、カプセル内視鏡検査で病変を確認することを提案していくものとみられる。
獨協医科大学名誉学長で日本カプセル内視鏡学会理事長の寺野彰氏は、「日本での大腸がんの死亡者数は近年増大し続け、今や女性のがん死亡原因の第1位、2020年までには男女を合わせた日本人のがん罹患率第1位になると予想されている」とし、「低侵襲で患者受容性が高いカプセル内視鏡が大腸疾患に臨床応用されることは、大腸がんの早期発見、早期治療に大きく貢献することと思われる」とコメントしている。