サノフィ 院内感染による下痢症の予防ワクチン 日本でフェーズ2開始
公開日時 2013/07/16 05:01
サノフィはこのほど、院内感染による下痢症を予防するクリストリジウム・ディフィシルワクチンについて、サノフィパスツールワクチン事業部が日本でフェーズ2試験を開始したと発表した。クリストリジウム・ディフィシルは院内感染による下痢症(偽膜性大腸炎など)の主要な起因菌で、この菌が産生する毒素が引き起こす様々な腸疾患の総称であるクリストリジウム・ディフィシル感染症(CDI)の予防ワクチンは現在存在しない。CDI感染者の約8~15%が死亡するとされ、病院や介護施設で広域抗生物質を使用して治療中の高齢者でリスクが高いことが指摘されている。
クリストリジウム・ディフィシルは十分な感染制御対策を行っても環境中から完全に排除することが難しいため、医学的及び社会的な影響が大きい感染症と言われている。このため、米国FDAは2010年に、同ワクチンを優先承認審査(Fast-track)品目に指定している。同ワクチンはグローバルではフェーズ3段階にある。日本は、フェーズ2の結果次第ではあるものの、フェーズ2終了後にグローバルフェーズ3に参加する計画だ。
サノフィパスツールワクチン事業部長のトマ・トリオンフ氏は、「クリストリジウム・ディフィシルワクチンについては他の先進国と同時に日本へ導入するため、開発段階から国際開発に参加することを目標にしていた。日本でフェーズ2試験を開始できたことを大変嬉しく誇りに思う」とコメントしている。