抗がん剤アリミデックス 処方せんの約75%が後発品でもOK 後発品比率は2割強
公開日時 2013/07/10 05:03
2012年12月に後発医薬品が初参入した閉経後乳がん治療薬アナストロゾール(一般名、先発品名:アリミデックス)の後発品比率(処方数量べース)が今年4月に21%に達したことがわかった。65歳未満と65歳以上で後発品比率を見てみると、65歳未満の患者の方が65歳以上より10ポイント程度、その比率が高いことも確認された。患者自己負担額の上限となる高額療養費制度があるものの、70歳を境に患者負担額に差があることから、薬剤費負担が理由のひとつと考えられる。
この分析結果は、調剤薬局の調剤レセプトベースで実際の処方状況を把握・分析する医療情報総合研究所(JMIRI)のデータによるもの。
また、今回はアナストロゾールの処方せん発行状況から、より詳細に分析を加えた。処方せん発行段階では、先発品名処方が95.3%、後発品処方が2.8%、一般名処方が1.9%――。そして、先発品名での処方せんの内訳は、後発品への変更可が70.4%、不可が24.9%であることが確認された。▽後発品処方▽一般名処方▽先発品処方のうち後発品への変更可――による合計は約75%となり、言い換えれば、これが後発品への変更OKの処方せんとなる。
これまでは、疾患や薬剤組成の複雑さなどから医師はスペシャリティ領域で後発品を使用することに消極的との指摘もあった。今回のデータは処方せんベースのデータではあるものの、医師の意識が現在ではかなり異なることがわかる。
なお、調剤薬局での後発品の調剤割合は、先発品名で後発品変更可とした処方せんの約25%(アナストロゾール全体では17.8%)、一般名処方の処方せんの約20%(同0.4%)にとどまった。
詳細はMONTHLYミクス7月号の連載「医師の処方動向をよむ」に掲載している。こちら