ゼリアとアステラス 新規保険病名「機能性ディスペプシア」の治療薬アコファイド錠を新発売
公開日時 2013/06/06 05:02
ゼリア新薬とアステラス製薬は6月5日、機能性ディスペプシア(FD)に用いるアコファイド錠100mg(一般名:アコチアミド塩酸塩水和物)を6日に新発売すると発表した。FDは新規の保険病名で、アコファイド錠は初のFD治療薬となる。用法・用量は1回100mgを1日3回、食前に経口投与する。薬価は100mg 1錠 36.20円。
FDは、国際的診断基準(RomeIII基準)で「食後の膨満感、早期飽満感(飽満感)、心窩部痛、心窩部灼熱感などの消化器症状を訴えるが、原因となる器質的疾患が見当たらない疾患」と定義されている。アコファイド錠は、消化管運動にかかわるアセチルコリン分解酵素の末梢のアセチルコリンエステラーゼを阻害することで、FDの原因とされる胃運動の低下や胃からの食物排出遅延を改善する。
FD患者897人を対象にした国内フェーズ3試験では、プラセボとの二重盲検ランダム化比較を行い、「食後の膨満感や上腹部膨満感、早期満腹感の3症状すべての消失率」でプラセボ群9.0%に対してアコファイド投与群15.3%と有意に改善したほか、副作用の発現率がプラセボ群と同等であることを確認した。
アコファイド錠は、ゼリアが創製し、アステラスと共同開発した。海外でも開発されているが、日本で世界に先駆けて発売される。製造販売元はゼリア、発売元はアステラス。両社で共同販促し、FDの疾患啓発や早期の市場構築を図る。両社とも消化器領域に強みがあり、アステラスはH2受容体拮抗薬ガスターや過敏性腸症候群治療薬イリボー、ゼリア新薬は潰瘍性大腸炎治療薬アサコールやH2受容体拮抗薬アシノン――などを手掛けている。