MHRA イノベーション部新設 インターネットベースで推進
公開日時 2013/04/09 04:00
英国医薬品庁(MHRA)の第8回年次講演会が3月11日、ロンドンの王立医師会(RCP)で開催され、医薬品イノベーションの推進をテーマに論議が交わされた。
英グラクソ・スミスクライン(GSK)のAndrew Witty CEOは、MHRAは、他の監督機関と連携し、生産性を向上させ、新規画期的医薬品へのアクセスを向上させることを確実にするよう国際的に声を上げるよう求めた。
Witty CEOは、イノベーション推進についてGSK側の取り組みについても言及、R&D体制の再編、新規製造技術の探求、継続的な臨床試験の透明性確保への取り組みなどを説明した。
MHRAのKent Woods長官は、Witty CEOの発言を受け、専門家グループ「ヘルスケアの規制におけるイノベーションについての専門家グループ」(The Expert Group on Innovation in the Regulation of Healthcare:EGIRH)を通してイノベーション推進に取り組んでいることや新規医薬品などが迅速に開発され、患者のもとに早く提供されるように規制システムについて開発早期のアドバイスを行っている現況を説明した。
EGIRHは、Ken Woods長官を委員長として2012年夏に設置され、政府のライフサイエンス戦略における、医薬品などの安全性・質・有効性に関する規制に関する課題への勧告を行う。2013年9月に勧告書を発行する予定。
MHRAのこのような取り組みの一環として、画期的医薬品・医療機器を開発している組織に対する早期段階でのアドバイスを行うインターネットをベースとするイノベーション部を設置したことを明らかにした。
インターネットをベースとしたイノベーション部は、イノベーションの促進を図り、その成果を患者に還元する目的で、MHRAと製薬企業など利用者との製品開発についてのウェッブを通して、コミュニケーションを円滑かつ早期段階に行うことを目指している。MHRAは、コミュニケーションが必要な例として、先進的治療法やナノメディシンと医療機器との併用治療法などについてアドバイスが可能だとしている。
MHRAのIan Hudsonライセンシング部長は、「新規技術や製品の開発者はしばしば英国の規制が適用されるのかEUの規制が適用されるのか迷う場合がある」とした上で、「我々のイノベーション部が新規技術や製品をより進歩させていく要件や手続きについての理解の助けとして役立つことを願っている」と話し、様々な相談に応じられる体制構築に自信をみせる。
Woods長官は、インターネットでの対応に加え、医薬品への早期アクセス、先端的製造についての規制、将来の規制におけるイノベーションの改善などにどのように取り組んでいけるかを検討することを同事業部の業務として挙げた。
また、MHRAの機能強化のために、外部組織である保健保護庁(Health Protection Agency)の内局だった国立生物標準・管理研究所(National Institute for Biological Standards and Control)が臨床実践研究データリンク(Clinical Practice Research Datalink)とともに4月1日からMHRAの傘下に入っている。