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FDA MS治療薬Tecfideraを承認

公開日時 2013/04/01 04:00

米食品医薬品局(FDA)は3月27日、米Biogen Idecの多発性硬化症(MS)治療薬Tecfidera(dimethyl fumarate)カプセル剤を承認した。


Tecfideraの適応は、成人における再発型MS。MSは、脳と身体の他の部分との伝達を障害する中枢神経系の慢性的炎症性の自己免疫疾患。MSは男性よりも女性の罹患率が高い。MSの患者の多くにとっては、寛解期のあとに再発が伴う。長期にわたると、寛解期は不完全となり、身体機能の低下が徐々に進行、障害が増えてくる。MS患者は筋力の低下を経験し、身体のバランスなどがとれなくなる。多くの患者は20代から40代に最初の症状を経験する。


同剤の有効性・安全性は、同剤投与群とプラセボ投与群との比較対照試験2本で検証された。そのうちの1本では、同剤投与群では、プラセボ投与群に比べ、障害の悪化が少なかったことが示された。同剤はリンパ球を減少させる可能性があるが、臨床試験では、同剤投与患者に有意に感染症が増加した症例は見られなかった。しかし、FDAは、治療開始前に医療関係者にリンパ球数を検査することを推奨している。


臨床試験で報告された主な副作用は、顔面紅潮、悪心、嘔吐、下痢などで特に治療開始時に見られ、時間の経過により減少した。


FDA医薬品評価研究センター(CDER)のRussell Katz神経学製品部長は、「MSを治癒する薬はないので、患者にとって多様な治療オプションがあることは重要なことだ」と指摘したうえで、「MSは(身体の)運動を阻害し、感情や思考を阻害し、QOL(生活の質)に著しい影響を及ぼす」と話し、同疾患に対する新薬の登場を歓迎した。


 

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